欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はもはや年内の利上げを排除していない。他国・地域の中央銀行が引き締めに向かう中で、ECB当局者は表には出さないが、来月にも政策ガイダンスが変更されると考えている。
ラガルド総裁は3日の記者会見で記録的な高インフレを指摘、予想外にタカ派的な見解を示した。これとは対照的に、会見前に発表されたECBの公式見解は、物価上昇がいずれ緩和するという従来の見通しを踏襲するものだった。
ECB、金融緩和を徐々に縮小へ-利上げは資産購入の完全な終了後
政策委員会の協議は非公表であるとして匿名を要請した関係者によると、この日の会合では年内の利上げを排除しないことが賢明だとの判断で一致した。ECB報道官はコメントを控えた。
ECBが3月の政策調整可能性を準備、年内利上げ排除せず-関係者
政策委のこうした見解は、ラガルド総裁の記者会見での発言に反映された。総裁はただ、正式な政策スタンスについて政策委が結論を急ぐことはないとも強調。最終的な判断は今後複数回の会合を待ちたいと記者団に述べた。これには来月会合での資産購入見直しも含まれる。
1月のユーロ圏インフレ率が前月に続いて過去最高を更新したことについて、政策委員会の「全体が懸念している」と総裁は説明。「3月の会合とその後の6月の会合が、ECBのフォワードガイダンスの3条件が完全に満たされたかどうかを判断するにおいて極めて重要になる」と語った。
金利に関して現状に甘んじることはないが利上げを急ぐこともしないと述べた。政策手段の調整はかねて示している順序に従うとし、債券の純購入が終了するまでは利上げはしないとあらためて明言した。
総裁の会見を受けてユーロは1%余り上昇し、このまま引ければ過去1年以上で最大の上げとなる見通し。短期金融市場は一時、6月の10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げ、年末までに最大40bpの利上げを織り込んだ。イタリアの10年債利回りは一時20bp上昇した。
総裁は「昨年12月のわれわれの予想に比べ、インフレ見通しに対するリスクは特に短期的に上振れ方向に傾いている」と述べた。「現状および今後に起こりそうな事態について非常に注意を払っている」と続けた。
1月の ユーロ圏消費者物価指数(CPI)は予想を上回る5.1%上昇となり、少なくとも20年ぶりの高水準だった。
ラガルド総裁は供給ボトルネックが緩和されつつある兆候があるとしながらも、当分は続くとの見通しを示した。
基調的インフレの指標は上昇したものの、その持続性は不透明だとし、中期的に物価上昇を加速させる主因である賃金上昇は、依然「全体として落ち着いている」と指摘した。
原題: Lagarde Pivots on ECB Rate Hikes as Switch in Guidance Seen Soon、 Lagarde Reveals ECB Inflation Worry With Focus on Next Meetings、Lagarde: ECB Won’t Be Complacent on Rates, Also Won’t Be Rushed(抜粋)
(関係者による情報を第1-第4段落に加え、相場を更新します)
ラガルド総裁、ECB政策で方針転換-ガイダンス変更も間近か - ブルームバーグ
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