日銀は、歴史的な円高が続いていた2011年後半の金融政策決定会合の議事録を公開しました。当時、日銀は2度にわたって金融緩和に踏み切りましたが、円高の要因となっていたヨーロッパの信用不安が破滅的な状況に陥るおそれもあるとして、強い危機感を持って対応にあたったことがうかがえます。
日銀は31日、2011年7月から12月までの金融政策決定会合の議事録を公開しました。
この頃、円相場が1ドル=75円台をつけるなど歴史的な円高水準となっていて、このうち8月の会合は政府・日銀が円売りドル買いの市場介入に踏み切った直後から、開始時間を前倒ししたうえで、通常2日間の日程を1日のみに短縮して行われました。
会合では、円高が東日本大震災の影響から持ち直しつつある企業の打撃になりかねないという見方で一致し、「このタイミングで、思い切ったアクションに踏み切るべきだ」といった意見も出て、日銀は、国債などを買い入れる基金を40兆円から50兆円に増額する金融緩和策を決めました。
しかし、その後もヨーロッパの信用不安の拡大で円高がさらに進み、10月の会合では、当時の山口廣秀副総裁が「信用不安が破滅的な状況に陥る可能性はゼロではない」と述べたほか、委員からは円高が国内工場の海外移転を招きかねないといった危機感が相次いで示されました。
そして、当時の白川方明総裁は「厳しい情勢に対応して国債を買っているということを正しく認識してもらう必要がある」などと述べ、基金を55兆円に拡大する追加の金融緩和策を決めました。
ただ、歴史的な円高は翌年も続き、世界経済の減速もあって日銀はさらなる追加緩和で基金を100兆円を超える規模にまで拡大しました。
日銀 歴史的円高に危機感 2011年後半の金融政策決定会合議事録 - NHK NEWS WEB
Read More
Tidak ada komentar:
Posting Komentar