「脱炭素」で世界をリードしたい欧州連合(EU)。主要市場で最も厳しい、2035年までにガソリン車の新車販売を事実上禁止する案を掲げ、代わりに電気自動車(EV)シフトを押し出す。だが、よく見れば、インフラに加盟国間で大きな格差が。達成できるのか――。(アテネ=和気真也)
わけ・しんや 1979年生まれ。欧州総局で経済取材を担当。先日、ボルボの新型EVを試運転。加速力に驚いた。
古代ギリシャの神殿が丘の上に見えるアテネの街は、10月半ばでも暖かい日差しが注いでいた。汗ばむワイシャツの袖をまくり、スマホでEV充電器の位置を示すウェブサイトを時折見ながら歩くこと40分。「あった!」。たどり着いたのは、立体駐車場。ここにEVの充電器があるはずだ。
係員のステリオス・コストグロさん(30)に尋ねると、「ありますよ、二つ」。そして続けた。「一つは使っていません。あっちはたまに使います」。指さした暗い屋内駐車場の先に、充電ホースの口が緑色に光っていた。
コストグロさんによると、設置したのは1年前。米国企業が無料で置いてくれた。充電料金は顧客の自己負担だが、銀行の社有車など10台が駐車契約した。ただ、いずれもガソリンでも走れるプラグインハイブリッド車(PHV)。「EVはないですね。値段が高いし、充電器も、うちのような駐車場かスーパーで見るぐらい。私なら買いません」と話した。
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EU、ガソリンの新車販売なくせる? ギリシャから見えた死角 - 朝日新聞デジタル
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