[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価3指数が反発。堅調な経済指標を追い風に第4・四半期は好調なスタートとなった。米インフラ投資法案可決に向け進展が見られたことも材料視された。
序盤の取引では相場は不安定な動きとなったものの、午後に入り、景気敏感株が主導し値上がりした。インフラ投資法案を巡り、バイデン大統領が意欲的に調整に乗り出したというニュースが伝わる中、株価は上げ足を速めた。
しかし週間では、S&P総合500種とナスダック総合の下げ率は2月以来の高さとなった。
レノック・ウエルス・アドバイザーズの最高投資責任者デイビッド・カーター氏は「ワシントン発の目立ったニュースがなかったため、好調な経済指標やコロナ治療薬を巡るニュースなどが注目された」とし、「相場は幅広く回復した」と述べた。
製薬メルクは8.4%高。同社は1日、開発中の新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」について、重症化の恐れがある患者の入院や死亡のリスクを約50%減らす効果があるとの中間臨床試験結果を公表した。
一方、メルクのニュースが重しとなり、モデルナは11.4%の大幅安。S&P500の主要11セクターではヘルスケアのみが下落した。
米指標では、8月の個人消費支出が前月比0.8%増と市場予想の0.6%増を上回り、コアPCE物価も上昇。9月のISM製造業景気指数は61.1と、予想外に上昇した。
フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は1日、量的緩和の縮小(テーパリング)に着手する時期が「近く」到来する可能性があるという認識を改めて示した。
景気を巡る楽観的な見方から、バリュー(割安)株がグロース(成長)株をアウトパフォームしたほか、ダウ輸送株や小型株で構成するラッセル2000株価指数が好調だった。
米国では12月3日までの資金を手当するつなぎ予算が成立し、政府機関の閉鎖が足元回避される運びとなったが、格付会社フィッチ・レーティングスは、米議会が連邦債務上限問題を適時に解決できなければ、米国の「AAA」格付けが圧迫される恐れがあるとの認識を示した。
前出のレノック・ウエルス・アドバイザーズのカーター氏は「市場では、米国の格付け引き下げや米債務上限引き上げで合意できないということは想定されていないが、不透明性は常に悪材料となる」と指摘した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.17対1の比率で上回った。ナスダックでも1.63対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は110億2000万株。直近20営業日の平均は107億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34326.46 +482.54 +1.43 33930.7 34490.5 33785.5
0 6 4
前営業日終値 33843.92
ナスダック総合 14566.70 +118.12 +0.82 14494.9 14606.8 14324.0
3 2 1
前営業日終値 14448.58
S&P総合500種 4357.04 +49.50 +1.15 4317.16 4375.19 4288.52
前営業日終値 4307.54
ダウ輸送株20種 14250.71 +248.29 +1.77
ダウ公共株15種 872.82 -1.81 -0.21
フィラデルフィア半導体 3261.18 +3.09 +0.09
VIX指数 21.15 -1.99 -8.60
S&P一般消費財 1438.51 +8.82 +0.62
S&P素材 504.57 +7.93 +1.60
S&P工業 838.50 +11.67 +1.41
S&P主要消費財 716.41 +1.83 +0.26
S&P金融 634.54 +9.94 +1.59
S&P不動産 280.99 +2.90 +1.04
S&Pエネルギー 408.94 +13.06 +3.30
S&Pヘルスケア 1485.00 +1.01 +0.07
S&P通信サービス 272.81 +4.77 +1.78
S&P情報技術 2661.54 +37.71 +1.44
S&P公益事業 324.46 -0.12 -0.04
NYSE出来高 9.69億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 29100 + 280 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 29050 + 230 大阪比
米国株式市場=主要3指数反発、第4四半期好調に開始 指標が追い風 - ロイター (Reuters Japan)
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