イオン、フジ、マックスバリュ西日本は9月1日、2024年3月をめどにフジとマックスバリュ西日本(以下:MV西日本)の合併による統合新会社を設立すると発表した。同日、東京と松山で事業概要説明会を開催した。
フジとマックスバリュ西日本の2021年2月期業績を単純合計すると、営業収益8785億円、営業利益145億円、店舗数510店舗、従業員数3万2000人となる。
統合新会社設立に先駆け、2022年3月1日を効力発生日として、フジとMV西日本がイオンの連結子会社となる共同持株会社を設立し、経営統合する。
フジの尾﨑英雄会長は、「フジとイオンは2018年10月、資本業務提携を発表。備品調達、仕入れ、電子マネーWAONのフジ導入など一定の成果を出してきた。しかし、今後のデジタル化の進展、ドラッグストアなど協業他社との競争激化など事業環境の変化により対応していくため、スケールメリットを出せる経営統合に踏み切った」。
「コロナ禍で加速する経営環境の変化に、経営統合で対応する。店舗名はそれぞれ維持する。統合による規模のメリット、財務基盤・人的資源の厚みを生かし、地域の暮らしの向上と従業員の安心とワクワクの実現を目指す」と説明した。
2022年3月1日、フジを分割会社とする会社分割により、フジを持株会社化するために必要な機能を除く全ての事業を新会社に継承し、フジは共同持株会社フジとなる。共同持株会社となったフジは、MV西日本と株式交換を行い、分割した新会社(事業会社フジ)とMV西日本を子会社とする持株会社体制へ移行する。
また、持株会社体制への移行に伴い、共同持株会社フジはイオンの連結子会社となる。フジは上場を維持する。
イオンの岡田元也会長は、「コロナ禍は、東京・中央政治・官僚の限界を明らかにした。地方から日本は変わっていかねばらならない。今回の統合で、規模のメリットを生かした中四国のスーパーリージョナルリテイラー、オンラインを強化しスーパーリージョナルOMOリテイラーとなることで、中四国の発展にもっと貢献するイノベーティブな企業になることを目指す」と意気込みを語った。
今後、統合準備委員会を立ち上げ、DX、OMO(リアルとデジタルの融合)、SCのコミュニティ拠点化、プロセスセンター強化、地域PBの拡充、物流効率化などに取り組む。
吉田昭夫社長は、「顧客はリアル、ネット自由に選んで使う時代になっている。両社の持つリアル店舗にオンラインネットワークをかぶせたOMO戦略を推進。シームレスなタッチポイントを作っていく。統合でデジタルのR&Dコストも削減できる。イオンの既存のデジタル施策をフジに導入、その逆も考えられる。また、ローカルPBの開発、プロセスセンター・物流拠点の活用も実施する」と話した。
イオン/フジ、マックスバリュ西日本の経営統合を発表、営業収益約8800億円体制に - 流通ニュース
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