【NQNニューヨーク=戸部実華】25日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=110円75~85銭で取引を終えた。朝方発表の5月の米個人消費支出(PCE)物価指数を受け、米連邦準備理事会(FRB)は金融緩和の縮小を急がないとの観測が広がり、円買い・ドル売りがやや優勢だった。ただ、米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大観測から円の上値は重かった。
5月のPCE物価指数でエネルギー・食品を除くコア指数は前年同月比3.4%上昇と市場予想と一致した。前月比では0.5%上昇と4月(0.7%上昇)から減速し、市場予想(0.6%上昇)も下回った。市場では「一時的な要因による物価押し上げが大きく、次第にインフレ圧力は和らぐだろう」(オックスフォード・エコノミクスのグレゴリー・ダコ氏)との見方を強めた。
同統計でPCEは前月比横ばいと市場予想(0.4%増)を下回ったことも、ドル売りを誘ったとの指摘があった。
ただ、円の上値は限られた。米債券市場でインフラ投資による米景気拡大や国債増発を見越した長期債売りが優勢になった。米10年物国債利回りは前日比0.03%高い1.52%となり、日米金利差の拡大観測が円相場の重荷となった。米株式市場では多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が連日で過去最高値を更新し、低リスク通貨とされる円の売りにつながった面もあった。
円の高値は110円48銭、安値は110円87銭だった。
円は対ユーロで横ばいとなり、前日と同じ1ユーロ=132円20~30銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで小幅に続伸し、前日比0.0005ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1930~40ドルで取引を終えた。米PCEの発表を受け、ユーロ買い・ドル売りが優勢だった。ただ、米長期金利が上昇すると、欧米金利差の拡大観測からユーロは伸び悩んだ。
ユーロの高値は1.1975ドル、安値は1.1927ドルだった。
NY円、続伸 1ドル=110円75~85銭 米PCE受け円買い優勢 - 日本経済新聞
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