25日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、2万9000円台を回復しそうだ。インフラ投資の拡大が米景気を底上げするとの期待から24日の米株式市場で主要3指数が上昇した流れを、東京市場でも引き継ぎそうだ。もっとも、週末とあって持ち高を一方向に傾ける動きは限られそう。国内の新型コロナウイルス感染動向に懸念が残るのも重荷となるだろう。市場では2万9200円が上値の目安だとの見方があった。
バイデン米大統領が24日、インフラ投資法案について米上院の超党派議員グループと合意に至ったと表明した。これを好感し、24日の米市場でダウ工業株30種平均は反発し、322ドル高で終えた。機関投資家の多くが運用指標とするS&P500種株価指数、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はそれぞれ最高値を更新した。
米国で24日に発表された週間の新規失業保険申請件数は、市場予想ほどは減らなかった。米連邦準備理事会(FRB)がゼロ金利解除に動く時期が前倒しされるとの懸念がやや和らいだのは、東京市場でも買い安心感につながるだろう。
半面、国内での新型コロナの感染状況は重荷となりそうだ。東京都では足元で、1日に判明する新規感染者数が前週の同じ曜日より多い日が目立つ。24日の都のモニタリング会議で専門家は「感染再拡大の予兆がみられる」と指摘した。7月に開会する東京五輪を機に感染状況が悪化するとの警戒感も高まっている。
25日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は上昇した。9月物は前日の清算値と比べ190円高い2万8990円で終えた。
きょうは東芝が定時株主総会を開く。2020年の定時総会を巡っては「公正に運営されたとは言えない」と調査報告で指摘されていた。定時総会では取締役の選任を諮るが、責任を問う声も上がる永山治取締役会議長が再任されるかに注目が集まる。
東証マザーズにステムセル研究所、日本電解が新規上場する。総務省が6月の都区部消費者物価指数(CPI)を発表する。高島屋が21年3~5月期決算を発表する。
米国では5月の米個人所得・個人消費支出(PCE)が公表されるほか、ミシガン大学が6月の米消費者態度指数の確報値を発表する。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
日経平均、米株高が追い風(先読み株式相場) - 日本経済新聞
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