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米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は1日、米経済が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の好況に向かう一方で多くの人が職についていない状況が続いており、金融政策には両面のリスクがあるとの認識を示した。
ブレイナード理事はエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークでの講演テキストで、「両面のリスクに注意を払っている」とした上で、「長期のインフレ期待が望ましくない形で展開している兆しがあるかどうか、インフレ率に加えインフレ期待の指標を注視する」と述べた。
また「私の短期見通しにあるインフレ率の水準は若干高めに移行したが、インフレ率の曲線が経済再開後に基調的なトレンドに回帰するという私の予想はほぼ変わっていない」と語った。
さらに「パンデミック前の定着したインフレの力学に比べると、一部の財・サービス分野における一時的なインフレ急加速が、より長期的なインフレ動向に跡を残す可能性は低いように見受けられる」と指摘した。
通常の物価上昇時に見られない特徴の1つとして、数百万人が雇用されていないことがある。ただブレイナード理事は今後数カ月に労働市場の回復がさらに進展すると見込んでいると論じた。
「足元の雇用はわれわれの目標から程遠いままだ」とし、「雇用はパンデミック前の水準を800万人余り下回っており、この1年強に長期的な雇用の伸びが実現していた可能性を踏まえると、雇用不足は1000万人を上回る」と語った。
講演後の質疑応答で、不動産市場が活性化しているにもかかわらず米金融当局が住宅ローン担保証券(MBS)の購入を続ける理由については直接の言及を控えた。ただ米国債を月800億ドル(約8兆8000億円)、MBSを400億ドル購入する現行のプログラムに関しては「既存の構成はわれわれが目指している効果を発揮している」と語り、幅広く恩恵があるとの見解を示した。
原題:
Fed’s Brainard Says Economy Far From Goals With Two-Sided Risks、Brainard Says Composition of Bond Buying Effective for Fed Goals(抜粋)
(最終段落に発言を追加して更新します)
ブレイナードFRB理事、労働市場とインフレ率の両面にリスク - ブルームバーグ
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