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Sabtu, 29 Mei 2021

中国「ペット福袋」事件の背景 - auone.jp

中国ではブラインドボックス手法でペットが販売され、動物虐待が問題になっている。写真はイメージ(写真:momo/PIXTA)

5月初め、中国の宅配便の荷物から約160匹の犬猫が発見された。ビニールで密閉された箱に詰め込まれて多くが衰弱し、すでに死んでいた動物もいた。これらは、中国の若者の間で空前のブームを生んでいる、あるビジネスモデルの商品だった。売った業者と配送業者は非難されてしかるべきだが、買った消費者も「動物虐待」の片棒をかついだと言える。背景に何があったのか。

排泄防止でエサ与えられず

事件は四川省成都市の動物保護団体のSNSアカウントによって告発された。投稿画像には、大型トラックの荷台に積み重ねられた黒いプラスチックケースや、そのケースにすし詰めにされた犬、猫が写っている。

続けて投稿された動画を再生すると、犬と猫のけたたましい鳴き声が響き渡る。動物保護団体によると、動物を入れたケースは送り状を貼った布袋で封をされ、宅配便の荷物として輸送される途中だった。輸送中の排泄を防ぐため、ペットは丸1日以上エサを与えられていない様子だったという。約160匹の犬猫は、中国で大流行している「ブラインドボックス」形式で、9.9元(約168円)で売られた商品だった。

ブラインドボックスは、日本の「福袋」にヒントを得た販売手法で、中身は開けてのお楽しみだ。2010年代後半に現地の雑貨チェーン「POPMART」がミニフィギュアの販売にこの手法を取り入れて大ヒットし、ここ数年で各業界に広がった。

POPMARTが公表している資料によると、同社のブラインドボックス購入者の75%が女性で、32%が20代前半のいわゆる「Z世代」だ。また、月収8000~2万元(約13万5000円~34万円)の高所得ユーザーが9割を占める。商品の販売額は2017年に9140万元(約15億円)だったのが、2019年には13億5920万元(約232億円)へと増大した。

また、中国のMob研究院が発表した「2020ブラインドボックス経済洞察報告」では、ブラインドボックス市場は2020年に100億元(約1700億円)に達し、2024年には300億元(約5000億円)に拡大すると予測している。

ブームがバブルに変貌する中で、動物のブラインドボックスが登場したのは、必然でもある。中国は数年前から空前のペットブームが続いており、この組み合わせに業者が飛びつかない理由がないからだ。

調査会社の艾瑞咨詢(iResearch)が今月発表したペット白書は、2020年の中国ペット業界市場が3000億元(約5兆円)に迫り、2023年には4456億元(約7兆5000億円)規模に拡大すると見込んでいる。

コロナ禍のステイホームで市場拡大はさらに加速している。ペット情報サイト「狗民網」によると、中国で飼われている犬、猫の頭数は、2018年にアメリカを抜いて世界首位に立った。飼い主は20代と独身がそれぞれ半数を占め、88%が女性だそうだ。

趣味に支出を惜しまない都市部の若者が、不要不急の商品を販売する企業にとって最も重要なターゲットであることは、POPMARTの躍進からもわかる。

消費者の欲も動物虐待の背景

文房具、化粧品のみならず、目的地が明かされない航空券さえも「ブラインドボックス」の人気商品となる中、確実に利益が期待できるペットのブラインドボックスは、昨年から多くのECサイトで取り扱われていた。今回、たまたま成都の動物保護団体がトラックを不審に思い、中身を確認して警察に通報したことで、闇の部分があぶりだされただけとも言える。

本質的な問題は、ペットがブラインドボックスで売られることよりも、動物の健康や命を粗末に扱う業者が後を絶たないことだ。ペットが宅配便で送られること自体は数年前から断続的に発覚し、批判を受けてきたし、2019年にはクレーンゲームの景品として子犬が投入された動画が大炎上した。

中国では以前から、「星期(一週間の意味)犬」「星期猫」という言葉がある。劣悪な環境で育てられたり、病気にかかっていたりして、消費者が購入後、1週間ほどで死んでしまうペットという意味だ。

ペットのブラインドボックスは、「秋田犬」「ラグドール」など高級種が入っている可能性もあると宣伝され、同時に「7日以内に死んだ場合は、半額を返金する」などとの注釈もついている。

中国各地で相次ぎ発覚

ただ、実際には健康状態に問題があるペットが、投げ売りされていたとの見方が多い。業者にとっては「処分」だから、荷物として宅配便で送られ、途中でどうなろうと構わないのだろう。

冒頭の事件後、ペットを配送していた大手宅配企業は罰金処分に科せられたが、その後、中国各地で、同じようなケースが相次ぎ発覚している。

兄から譲り受けた猫と暮らす北京市内の20代男性は、「ペットのブラインドボックスは、あわよくば安くブランド品種を買えるかもしれないという消費者の欲につけこんだやり方。そういう消費者がいる限り、ペット業者の動物虐待はなくならない」と憤った。

05/29 15:00

東洋経済オンライン

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