ソニーグループは28日、今期(2022年3月期)の連結営業利益が9300億円になる見通しだと発表した。前期比では4.3%の減益。音楽やゲーム分野などで減益を見込む。
今期から国際財務報告基準(IFRS)を適用しており、米国会計基準だった前期の比較になる。ブルームバーグが集計したアナリストの予想平均9703億円を下回る。前期の営業利益は9719億円と2年ぶりに過去最高を更新した。
十時裕樹CFO(最高財務責任者)は決算会見で、今年度から始まる中期経営計画について、「売り上げと利益のバランスの取れた成長」を目指すと述べた。同社は数値目標として24年3月期までの3年間の調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)累計額を4兆3000億円にすると公表した。
今期の業績予想 |
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同時に発行済み株式の2.02%に相当する2000億円、2500万株を上限とした自社株買いの実施も発表した。期間は30日から来年4月28日まで。資本効率の向上と経営環境に応じた資本政策遂行の一環としている。
部門別の営業利益予想は、ゲームがソフトの開発費用の増加などで前期比5%減の3250億円、半導体が製品ミックスの悪化などから同4%減の1400億円となった。音楽はスマートフォンゲーム関連の収入減少などで14%減の1620億円。映画は3.1%増の830億円、エレクトロニクスは6.3%増の1480億円だった。
昨年11月に発売した家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」の前期販売は780万台だった。
十時CFOは半導体事業について、「今期は数量シェアを回復し、来期に収益性を回復する」との道筋を示し、設備投資額は2850億円を計画していると述べた。PS5の今期販売台数はPS4の2年目の実績1480万台超を目標とするという。IP(知的財産)関連では、少しでもいい案件を見つけて投資を続けたいと話した。
米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは、増収ながら営業減益となる予想について「期待外れ」と評価。CMOS画像センサーではファーウェイ(華為技術)向けの減少を他の中国スマホメーカーで補おうとしているが、利益率の低い汎用品が多いとみられ、「プロダクトミックスが悪化している可能性」があると分析している。
1-3月期の業績 |
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21年1-3月期の営業利益は前年同期比88%増の665億円となった。部門別では音楽が34%増の406億円となったものの、エレクトロニクスが115億円の赤字(前年同期は595億円の赤字)、ゲームが28%減の330億円、半導体が41%減の202億円と不振だった。
エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは1-3月期の業績について、予想に比べ「音楽分野の営業利益が思ったより少なかった。スマホゲームからの収入が少なかったと思われる」と分析。PS5については「巣ごもり需要でもっと上を見ていた人が多かったのではないか」と指摘した。
同社は4月に社名をソニーから「ソニーグループ」に 変更した。テレビやカメラ、スマートフォンなどのエレクトロニクスをはじめ、半導体やゲーム、映画、音楽事業などをグループ横断的に管理し、各事業間の相乗効果を追求しながら長期的に企業価値を高めていく方針だ。
(決算会見などについて追加して更新します。更新前の記事は表中の1-3月期業績を訂正しています)
ソニーG、今期営業益4.3%減の9300億円-ゲームや音楽など減益 - ブルームバーグ
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